着物の種類別の買取相場

薩摩絣の着物買取の相場はいくらくらい?高く買い取ってもらえるコツはある?

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「祖母が亡くなり遺品を整理していたら、大量の着物が。

母は『古いから捨てちゃって』と言うけれど、量が多くて捨てるのも大変。

着物に詳しい知人に見せたら『これ薩摩絣じゃない!売らなきゃ損よ!』と言われました。

でもどうやって売ればいいの?」

薩摩絣は、綿織物では最高級。

まさに「売らなきゃ損!」の逸品です。

でも着物は株券と一緒。

売り方次第でゴミにも札束にもなります。

この記事をじっくり読めば、売ったお金でディナーや旅行に行けますよ。

薩摩絣とは?

薩摩絣はもともと沖縄出身。

江戸時代に、琉球が織った綿織物を薩摩藩が販売したため、「薩摩絣」と名づけられました。

実は上野の西郷さんは、薩摩絣着用。

琉球で織られた着物を薩摩藩で買い、着用したのではないかと言われています。

薩摩絣の生産は、明治時代から鹿児島にチェンジ。

一時は隆盛を誇りますが、生活の洋式化で需要が衰退。

鹿児島県の織物市場も大島紬に集中するようになり、生産量が激減します。

薩摩絣はどんどん減り、ついに「幻の織物」と呼ばれるように・・・。

しかし粋を凝らした薩摩絣を、絶滅させるのはあまりに酷。

大島紬を手掛けた職人が、大島紬の技術をもって薩摩絣を復活させます。

その後、薩摩絣は多くの着物ファンを魅了。

今なお数は少ないですが、高級綿織物として君臨しつづけています。

薩摩絣の特徴

薩摩絣は、綿織物のなかで高級度がトップ・オブ・トップ。

絹織物より高価で「木綿のダイヤモンド」と言われています。

もちろん着物通のなかでも憧れの存在。

「高級な着物を着つくしたら、最後に行き着くのは薩摩絣」と言われるほどです。

薩摩絣は、なぜそこまで賞賛されるのでしょうか。

理由は、絹に負けない「しなやかさ」と「光沢」。

薩摩絣は「世界三大綿」のひとつ・エジプト綿が使われています。

エジプト綿は非常に細くツヤがあるのが特徴。

薩摩絣が、他の綿織物にはない「しなやかさ」と「光沢」を放つのは、エジプト綿のおかげなんです。

着心地ももちろん最高。

着物は帰宅するとすぐに脱ぎたくなりますが、薩摩絣だけは「家に帰ってからもずっと着ていたい」という声が目立ちます。

色・柄は主に「絣柄の藍染」。

紺地に白模様のものを紺薩摩、白地に紺の絣模様が入ったものを白薩摩といいます。

絣模様のバリエーションは豊富で蚊絣、矢絣、亀甲など。

ちなみに上野の西郷さんが着ているのは井桁絣。

さすが西郷さん。

素朴に見えて高級、高級なのに素朴という「誰からも愛される着物」を、しっかりお召しになってます。

薩摩絣の着物買取の相場は?

では気になる買取価格を見てみましょう。

薩摩絣の買取価格は、綿織物では最高レベル。

相場は3万円~5万円

10万円以上の値がつくものも珍しくありません

高く売れる理由は、やはり絹織物に負けない高級感。

そして希少価値の高さです。

薩摩絣の生産量が少ないのは、「生活の洋式化」や「大島紬の優勢」だけではありません。

実は薩摩絣は、作るのに非常に手間がかかります。

木綿は絹より縮みやすく、色落ちしやすいのが難点。

製作工程では縮む分を計算して織り、「これ以上縮まない」というところまで何度も水につけます。

また藍染も、限界まで色を落として完成までこぎつけます。

流通してから「縮み」や「色落ち」が起こらないよう、様々な工夫・努力がされているんです。

さらに薩摩絣の糸は、とにかく細い!

熟練した職人が絶妙な力加減で織り上げないと、到底完成しません。

よって薩摩絣は、一反織り上げるのに1年かかるのが常。

短時間でたくさん作ることができないため、買取価格が高いんです。

薩摩絣の着物、高く買い取ってもらえる種類とは?

希少価値が非常に高く、高値で売れる薩摩絣。

そのなかでも特に高く売れるのは、どんな着物なのでしょうか。

有名作家のもの。

薩摩絣のなかで最も高く売れるのは、有名作家のもの。

特に高く売れるのは、永江明夫と都喜ヱ門の着物です。

永江明夫は薩摩絣の発明者。

薩摩絣唯一の製造元・東郷織物工業を担う人物です。

お手持ちの着物に「永江明夫」と書かれた証紙があれば高値で売れます。

さらに高く売れるのは、都喜ヱ門の作品。

都喜ヱ門は基本的に大島紬の作家で、薩摩絣を手掛けるのはめったにないこと。

「超希少」とされる着物なので、非常に高値で売れます。

正規品。

薩摩絣は「綿のダイヤモンド」と言われる存在。

高級品の宿命ゆえ、「正規品でないもの」が混ざっている可能性もあります。

よって「正規品であること」が証明できれば、高く買い取ってもらえます。

正規品かどうかは証紙を見れば一目瞭然。

「東郷織物工業 薩摩絣 手織絣 誠実無比 実篤」と書かれた証紙がついていればOKです。

ちなみに「実篤」とは武者小路実篤のこと。

武者小路実篤が薩摩絣に魅せられて、贈った言葉と言われています。

正藍染のもの。

薩摩絣の着物には「正藍染」と「藍染」があります。

圧倒的に高く売れるのは「正藍染」。

藍を自然発酵させた藍液で染めるもので、化学原料が含まれていません。

藍草に含まれる藍分は非常に含有率が低く、発酵も大変。

染め上げるまで、たいへん手間と時間がかかります。

しかしその分、色落ち・色褪せが少なく非常に長持ちします。

一方、藍染は化学原料を使い効率的に染めたもの。

早く生産できますが、色落ちが激しいのが難点です。

よって正藍染のほうが、はるかに高く売れます。

柄が細かいもの。

絣の着物は、柄が細かいほど高く売れます。

たとえば亀甲柄の場合、亀甲の数が多いほど高価格。

80亀甲より100亀甲、100亀甲より160亀甲のほうが高く売れます。

その他、マルキ数も重要。

「マルキ数の多さ」=「柄の細かさ」になるため、数が多いと高く売れます。

薩摩絣の着物を高く買い取ってもらうコツとは?

ではあなたの薩摩絣、どうすれば高く買い取ってもらえるのでしょうか。

証紙は必須!

証紙は「着物の格」「正規品か否か」「正藍染か藍染か」等を示す重要な証拠。

いくら自分が「本物です」と訴えても、証紙がないと、買取屋さんは納得してくれません。

売る際には必ず証紙をつけましょう。

着物専門のクリーニングでお手入れを。

薩摩絣を高く売るには、できるだけキレイな状態で売ることが重要。

いちばん良いのは「一度着たらすぐに売る」「未使用な状態でも売る」ことですが、なかなかそういうわけにはいきませんよね。

購入後、年数が経っているものはクリーニングに出すのがおすすめ。

着物専門のクリーニングをしてくれるお店なら、全体をキレイにしてくれます。

薩摩絣は綿織物とはいえ、非常に繊細なもの。

ちょっとのシミなら手で洗えますが、自宅での丸洗いは不可です。

必ず着物専門のクリーニング店に出しましょう。

着物に詳しい買取業者に売る。

薩摩絣は「藍染の種類」や「柄の複雑さ」など、価格を決める要素が多いです。

よって、買取を頼むなら着物専門の業者が吉。

様々な観点で「着物の格」をしっかり査定するので、不当に安い価格をつけることがありません。

売る際には必ず、着物専門の買取業者に頼みましょう。

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さいごに

綿織物の至宝・薩摩絣。

高級なだけに、買った人の思いがたくさん詰まっているはずです。

高く売るコツを押さえ、そのお金を、家族の思い出作りに生かしましょう。

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