「実家に久しぶりに帰ったら、父が着物の処分に困ってる様子。
母の宮古上布がタンスいっぱいにあるとのこと。
もう誰も着ないから処分したいけど、捨てるのはもったいない。
この際売ろうと思うけど、二束三文にしかならないと思うと、なかなか踏み出せなくて･･･」
宮古上布は、麻織物では日本最高級。
安く買い叩かれたら悔しいですよね。
この記事では、宮古上布を１円でも高く売るコツを伝授。
ほんの数分、お時間をいただき、この記事を読んでみてください。
売る前に読めば、お持ちの着物は10万円に。
売った後に読めば「あの着物、千円で売っちゃったよ･･･」と後悔することになりますよ。
目次
宮古上布とは？
宮古上布は、沖縄県宮古島の麻織物。
高級な上布のなかでも、品質の高さはトップ。
「東の越後、西の宮古」と呼ばれる、日本を代表する織物です。
宮古上布の起源は、まるでおとぎ話のよう。
時は16世紀。
宮古島の役人である真栄という男が、航海中に嵐に遭遇。
真栄が壊れた船を修復したため、船は沈没せず、無事目的地にたどり着きます。
それを知った琉球国王が、真栄を士族に出世させることに。
真栄の出世を喜んだ妻が、王に感謝の気持ちを伝えるために「綾錆布（あやさびふ）」という麻織物を献上。
後の宮古上布の誕生です。
以後、宮古上布の品質はどんどんアップしていきますが、それには悲しい歴史があります。
宮古上布の質の良し悪しで、役人の評価が決まるため、織女はいつも戦々恐々。
役人の眼を怖れ、美しい織物を作るよう努力した結果が、宮古上布を最高級に押し上げました。
宮古上布の美しさの裏には、様々なエピソードが隠されているんです。
その品質の良さが評価され、1975年、宮古上布は通商産業大臣指定の伝統的工芸品に指定。
1978年には、文化庁指定の重要無形文化財に。
さらに2003年には、「苧麻糸の手績み技術」が国選定保存技術に指定されました。
宮古上布の特徴
宮古上布は通気性抜群。
しかも表面は、しっとりなめらか。
通気性があると聞くと、デコボコした生地を思い浮かべますよね。
でも宮古上布は、ツルンとしてるのに通気性よし！
「いつまでも着ていたい」と言われるほど、肌触りが良いんです。
ロウを引いたようなツヤと光沢も目を引きます。
そんななめらかな生地なのに、丈夫なのも魅力。
祖母、母、私と三代続けて着られると言われています。
深い藍色にたゆたう絣模様は、実に精緻。
地の色は濃紺で染め、白や薄い藍色で細かい絣柄を織り込んでいきます。
絣模様の織物は多々ありますが、宮古上布の柄の細かさはトップレベル。
織りあげるのに最低で２ヶ月、細かい絣柄だと３ヶ月以上はかかると言われています。
宮古上布の着物買取の相場は？
宮古上布の買取価格は、麻織物ではトップ。
平均価格は３万円～５万円ほど。
品質の高いものや比較的新しいものだと８万円～10万円。
有名作家ものだと20万円以上で売れます。
さらに現在、宮古上布の買取価格は上昇中。
年々後継者が減っているため、希少価値が高くなっています。
宮古上布は今後ますます、買取価格が上がる可能性大です。
宮古上布の着物、高く買い取ってもらえる種類とは？
宮古上布は高く売れる着物ですが、特に高値がつくものがあります。
安く買い叩かれないようにするためにも、「高く売れる着物」をよ～く知っておきましょう。
重要無形文化財指定のもの。
宮古上布は、次の４種類に分けられます。
・重要無形文化財指定のもの：経緯糸とも手績み苧麻糸100％。
・宮古苧麻織：経糸はラミー糸（機械での紡績糸）、緯糸は手績み糸。
・宮古麻織：経緯糸ともラミー糸。
・宮古織：経糸は木綿、緯糸はラミー糸。
これらのうち断トツで高く売れるのは、経緯糸とも手績み苧麻糸で織られた「重要無形文化財指定の着物」です。
純正植物染めのもの。
「重要無形文化財指定のもの」と重なりますが、宮古上布は純正植物染めのものが高く売れます。
近年、化学染料で染めたものも出てきていますが、高く売れるのは圧倒的に「純正植物染め」の着物です。
証紙がついているもの。
偽物が横行しがちな和服の世界。
本物と証明された着物＝「証紙つきの着物」だけが、高く売れます。
宮古上布の場合、以下の証紙がついていれば高額買取間違いなし。
・経済産業大臣指定の伝統工芸品であることを示した証紙（「伝」の字と日の丸がデザインされたもの）。
・宮古織物事業協同組合の証紙。
・「沖縄県織物検査済之証」と書かれた証紙。
・沖縄県指定の伝統的工芸品であることを示す証紙。
これら４つの証紙がついていれば、高品質が保証されているため高く売れます。
有名作家のもの。
宮古上布で最も高く売れるのは、有名作家のもの。
特に新里玲子、本村三子の作品は非常に高値で売れます。
着物に作家の落款がついていれば、高値買取間違いなしです。
薄くて軽いもの。
宮古上布は薄くて軽いものほど、高く売れます。
薄くて軽いということは、極限まで細い糸でしっかり織られているということ。
高度な技術と、途方もない手間が必要です。
よって、薄くて軽い着物ほど高値がつきます。
宮古上布の着物を高く買い取ってもらうコツとは？
あなたのお持ちの宮古上布、高く売れそうですか？
「有名作家のものでもなさそうだし、買取価格は期待できないな」とあきらめていませんか？
まだまだここからが本番。
ここでは、あなたが持ってる宮古上布を「限界まで高く売るコツ」を伝授。
売る際には、必ず実行してください。
証紙をつける。
「高く売れる種類とは？」でもお伝えしましたが、着物は証紙が命。
売る際には、必ず証紙をつけましょう。
全てそろっていなくても構いません。
１枚でも証紙がついていれば、査定価格は断然違ってきます。
シワをとる。
麻織物はシワができやすいのが難点。
シワが「いい味を出している」とも言えますが、売る際にはやはりシワをとりましょう。
ただしアイロンをかけるは絶対ＮＧ！
アイロンをかけると縮んでしまい、着物の価値が半減します。
ハンガーにかけて状態で霧吹きをかけ、陰干し。
しっかり乾いたら新聞紙などに包み、均等に重しを入れた呉服箱を乗せ、シワをとっていきます。
なお、自分でシワとりをするのが不安なら、着物専門のクリーニング店に依頼しましょう。
汗ジミなどの汚れもとれて、一石二鳥ですよ。
高級だからこそ、必ず着物専門買取業者へ！
宮古上布を、総合リサイクル店などに売ろうとしていませんか？
それ、大損する可能性大。
売れば数十万円の着物が、業者側に知識がないばっかりに「千円で売ってしまった」なんて悲劇を招きます。
しかも宮古上布は「軽いほど高級」なので、総合リサイクルショップだと絶対損。
総合リサイクル店は重いほど高く買い取るため、軽い着物はありえないぐらい安くなります。
必ず着物に詳しい専門業者に売りましょう。
テレビCMでもおなじみの着物買取業者は「着物買取バイセル」
当サイトで一番人気がある着物の買取業者は「
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⇒損してる？バイセルの着物買取で悪い評判や悪い口コミを解説
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さいごに
日本屈指の高級織物「宮古上布」。
手放すのはもったいないですが、「もう着ない」と判断したら、早めに売るのがおすすめ。
一日でも古くなると、どんどん買取価格はダウン。
「高く売るコツ」を参考にして、宮古上布にふさわしい、いえ、それ以上の価格でドーンと売っちゃいましょう。