卒業式シーズンや成人式シーズンに見る、華やかな着物姿は実に素敵ですね。
「普段も着物を着てみようかしら?」という気にさせられることもあるかと思います。
大和撫子を彷彿とさせる美しい和服姿に魅せられた貴女に、普段着として着物を着るときに知っておくべきメリットとデメリットをご紹介していきます。
目次
着物を普段着で着る時のメリット
着物を普段着で着るときのメリットには、人とは違う個性が出せることやファッショナブルでかつ洗練された印象を与えることなどがまず頭に浮かびますね。
しかし、着物の良さはそれだけではありません!
着物は天候に左右されない
「明日はお友達とお食事!何を着ていこうかしら?」と前日から着ていく服を悩む人が多いですね。
しかし、翌朝になってみたら選んだ服では肌寒くてとても着ていけない!困った!という経験をした人も少なくないのではないでしょうか。
その点、着物は楽です。寒かろうが暑かろうが、基本的にはそのシーズンに合わせた着物――例えば、冬の時期ならば袷の着物、夏の時期ならば絽の着物――を着るようになります。着物は温度調整がうまく出来るよう仕立てられているため、洋服ほど暑さや寒さに左右されないのです。
なので、前夜に用意した着物をそのまま翌日のお出かけに着て出かけることでき、前日準備がしやすいです。
着物にアクセサリー類は不要
洋服を着る際にはどうしてもネックレスだの、イヤリングだのといったアクセサリー類を洋服に合わせてコーディネートする必要が出てきます。
しかし、この作業がまた面倒だと感じることもあるでしょう。その点、着物にはネックレスやイヤリングなどのアクセサリーは一切必要ないため、アクセサリーを準備する手間が省けます。
着物はアクセサリーがなくても着物自体が華やかなため、それだけで十分目立つのです。
被りを心配しなくても良い
洋服の場合、流行しているデザインのものは被ってしまうこともあります。
すれ違った女性が着ている服とまったく同じものを自分も持っていると、ゲンナリした経験はありませんか。
その点、着物は柄が被るということはまず滅多にありません。レンタルでもしない限り、着物の色や柄が被ることは90%以上ありません。
ですので、オンリーワンにこだわる女性には着物はとてもお勧めです。
着物を普段着で着る時のデメリット
着物を普段着で着るためには、やはり自分で着物が着られなくてはなりません。
従来から華道や茶道をたしなみ、着付けの知識も有しているという人は何の問題もないかもしれませんが、まったくの着付け初心者にとっては、着物を普段着で着る最大の障壁になってしまいます。
着物を自分で着られる必要がある
振り袖や留袖などのフォーマルな着物ならば、プロの着付け師に着付けてもらうのが一番です。
しかし、これが普段着となると話は別です。
やはり、洋服並みに早くきちんと自分で着られるよう、技術を習得する必要が出てきます。
因みに、しっかり着付け方法をマスターすると、普段着と名古屋帯を合わせて15分以内で着られるようになります。
また、それに合わせて着物用の髪型を自分でセットする必要が出てきます。
洋服の場合はダウンスタイルでもアップスタイルでも自分の気分しだいでセットすれば良いのでうすが、着物の場合はアップスタイルが基本です。
一番簡単なシニヨンでまとめるので十分ですが、普段あまり髪の毛をアップにしない方や自分で髪の毛を結うのが苦手という方には少々難しい作業になってしまうかもしれません。
洋服に比べてお手入れが面倒
洋服の場合は、多少汚れがついても洗濯機で洗うことで汚れを落とすことが出来ますが、着物の場合は洗濯機で洗うわけにはいきません。
もし洗う必要が出るほど汚れてしまった場合は、それ専用のお店にクリーニングをお願いしなくてはなりません。
また、収納に関しても、着物の場合は湿気が入り込まないようなところで保管する必要があるため、それ専用の収納スペースを作る必要が出てきます。
本来であれば湿度調整が可能な桐たんすがベストなのですが、全家庭に桐たんすがあるわけではないので、それに類似した収納場所を作る必要があり、洋服を保管するよりもやや面倒な部分があります。
激しい運動には不向きな衣類
着物は足元がすぼまっているため、美しくまた上品に見えるようになっています。
しかし、逆に言えば、大股で歩くことが出来ない、走ることが出来ないということになります。
自転車に乗る必要がある日、急ぎの用事で走る必要があるとき、運動量が多くなることが予想される日などは着物を着るのを避けたほうが無難だと言えます。
着物を普段着で着るときの便利グッズ
着物を普段着で着るときのデメリットを見てしまうと、やはり着物は普段着には適さないのかと肩を落としてしまうかもしれませんが、ちょっとお待ちください!
これらのデメリットを払しょくしてくれる便利グッズがあるのをご存知でしょうか。その一部をご紹介します。
洗濯機でも洗える着物
洗濯機で丸洗い出来る着物があるのをご存知ですか。ポリエステルで出来ているもので、着付けを習っている方が練習用の着物としてこの洗える着物を重宝しています。
もちろん、普段遣い用の着物として、洗える着物を持っている方も沢山いらっしゃいます。
正絹の立派な着物と比べて、ポリエステルの洗える着物はずっとリーズナブルな価格で購入することが出来、かつお手入れも非常に楽ということで人気を博しています。気になる方は是非チェックしてみてください。
腰ひもの代わりにユナベルト
着物を着る際に最も重要な役目を果たすのが腰ひもになります。この腰ひもを自分で締める際にどうしても緩んで、それが原因で着崩れてしまうといったことを経験された方もいるのではないでしょうか。
そこでお勧めしたいのが、ユナベルトというもので、いわゆるゴムベルトのようなものになります。
ゴムで出来ているため、伸縮性に優れ、とても簡単に装着することが出来ます。
初心者の方のみならず、着物上級者の方にもお勧めのアイテムです。
ヘアネット付きバレッタで髪の毛の問題を解決
シニヨンがうまく作れないという人にお勧めしたいのが、ヘアネット付きのバレッタになります。
使い方はとても簡単で、後ろで一つに縛った髪の毛の真上にバレッタを付け、バレッタに付いているヘアネットの中にくるくると髪の毛の房を入れ込むだけ。これで素敵なシニヨンの出来上がりです。装飾品としてリボンやウィッグが付いたものなど様々なバリエーションのものが店頭で売られているので、是非一度見てみてくださいね。
着物を着る際の道具に関して
着物を着るのに色々と道具が必要で、それをすべて揃えなくてはいけないと勘違う方がいらっしゃいますが、何もすべての道具を新調する必要はないのです。
成人式や卒業式の時に使った小物や道具があれば大丈夫です。
具体的には、ひも4、5本、伊達締め2本、お太鼓枕、タオル2枚か3枚、裾除け、肌着、襟新、帯板が必要になる小道具です。足りないものだけを新調するようにしましょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
気付いているようで気付いていなかったメリットやデメリットもあったかもしれません。
着物を普段着で着てみようかなという方は、着物を着る際の便利グッズも含めて、是非参考にしてみてくださいね。