着物のお手入れ

着物の保管方法のコツ。収納ケースや洋タンスではダメ?

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「着物があるんだけど保管ってどうしたらいいの?」

「着物はプラスチックの収納ケースで保管するのはダメ?」

「着物は桐ダンスで保管しないと傷んでしまう?」

「着物を保管するコツを知りたい」

なんてあなたは思ってはいませんか?
あまり着ない着物って保管するのに困ってしまいますよね。
だからと言って雑に扱うとシミやしわの原因にもなってしまいます

着物は、上手に保管することで30年、50年と長く袖を通すことが出来るものです。
ご自身が着物を着られなくなっても、孫、ひ孫と世代を超えて、その着物が愛用されることも少なくありません。

この記事では着物の保管方法のコツについて解説していきます。
結論から言うと、着物はちゃんとした保管をすればプラスチックの収納ケースでも可能です。
ただちゃんと保管しないと湿気や虫で着物をダメにしてしまう可能性があります。
そのコツについて解説したいと思います。

時を経て、着物の美しさを後世に残すためにも上手な着物の保管方法を知りましょう!

着物を桐タンスで保管する理由

洋服を保管するときは、洋服に適した洋タンスを使用するように、着物を保管するときは、着物に適した桐タンスを使用するのが一般的です。
では、なぜ桐タンスが着物に適していると言われているのでしょうか?

湿気は着物の大敵

まず、着物が洋服のようにどこにでも保管できる訳ではないということを押さえておく必要があります。
着物の特性として、着物は湿気に大変弱いということが挙げられます。湿気の多い場所で着物を保管すると、着物の生地が硬くなって傷んだり、虫がついてしまったり、カビが生えてしまったりし、結果として着物をダメにしてしまうことになります。
せっかくお気に入りの着物を購入したのに、保管の仕方が悪かったために一度も袖を通さずに終わってしまったとなっては大変もったいないです。
そうした事態にならないためにも、着物は湿気の少ないところでしっかりと保管する必要があるのです。
その点、桐タンスは通気性がよく、放湿性に大変優れているため、着物の保管には最適だと古くから言われてきているのです。
もともと桐材は、湿度に応じて膨張したり収縮したりすることで、内部の湿度を一定に調整し、常に湿度が低い状態を作り出すという性質を持っています。
これを利用した桐タンスは、タンスの引き出し内の湿度が常に低い状態に保たれるというわけです。

絹が大好きな害虫も寄せ付けない桐タンスの抗菌効果

ところで、絹を食べる害虫がいるのをご存知でしょうか?
ヒメカツオブシムシやヒメマルカツオブシムシといった害虫の幼虫が絹やウールを食べます。
つまり、絹で出来た着物、ウールで出来た着物はこの害虫の恰好の餌食というわけです。防虫剤などを一緒に入れて置けばたいていの場合はこの害虫を防ぐことが出来ますが、保管場所の湿度が高いと防ぎきれないこともあります。
こうしたことからも、放湿性に優れた桐タンスが着物の保管に最も適していると言われるのです。
さて、その桐タンスには放湿性以外にもう一つ重要な性質があります。
それは、抗菌効果です。桐材には、ノミやダニが嫌うセサミンなどの成分が含まれています。
そのため、虫が近寄りにくく、抗菌性に大変優れていると言われているのです。
桐タンスに着物を保管する場合も防虫剤は入れますが、桐タンス自体に抗菌効果があるとなれば、防虫効果もより一層高まります。

以上のように、放湿性と抗菌作用に優れた桐タンスは、着物が最も苦手とする湿気と虫から着物を守ってくれるため、着物の保管場所として最も適しているとされているのです。

着物の保管はプラスチックの収納ケースや洋タンスではダメ?

着物の収納に桐タンスが適しているということは分かっていても、住宅事情などによって桐タンスを持たない場合もあります。
そうした場合には、どのように桐タンスのような、着物に適した保管場所を作り出せばよいのかということについて、以下まとめていきます。

衣装ケースで保管の仕方や注意点

最近、洋服や小物を収納するのにプラスチック製の衣装ケースを利用するのが主流になってきましたが、このプラスチック製の衣装ケースで、着物は保管できるのでしょうか。
プラスチック製の衣装ケースでも着物を保管することは出来ますが、桐タンスで保管するよりも色々な点に気を遣わなければなりません。
まず、通気性についてです。プラスチックは桐材とは異なり、通気性がまるでありません。
そのため、ケース内の空気を少しでも多くするために、目いっぱい着物をケースに詰め込まないようにする必要があります。
ケースの底にすのこを敷いて通気性を確保するのも良いでしょう。
それでも桐タンスに比べれば通気性は低いので、こまめに風通しをする必要があります。
また、プラスチックには桐材のような放湿性、抗菌効果もありません。
そのため、防虫剤や除湿剤を使う必要があるのですが、ここでも注意点があります。
防虫剤、防虫香、除湿剤を使用する際には、一つのケースにつき一つの種類の薬剤のみを使用し、着物や帯に直接触れないようにします。
その理由としては、何種類もの防虫剤を同時に使用すると、化学変化を起こして、ケース内の着物が変色してしまうことがあるからです。
衣装ケースで着物を保管する場合は、衣装ケースの中にいかに着物に最適な保管空間を作り出すかということも大切ですが、着物をしまいこんだ衣装ケース自体をどのように保管するかということも重要になってきます。
直射日光が当たるようなところでの保管は、着物や帯の色の変色を招く恐れがあるので、絶対に避けましょう。
押し入れやクローゼットに入れて保管するときは、湿気が少ない上段に衣装ケースを置くようにします。この時、壁とケースの間に空間を作って、そこに除湿剤を置くことも忘れないようにしましょう。

洋タンスで保管の仕方や注意点

洋タンスの場合は、衣装ケースよりも湿気が入りやすいという点を押さえておく必要があります。
湿気が入りやすいのであればなおのことタンスは開けるべきではないと勘違いされる方もいますが、よく晴れた日(湿気のない日)には洋タンスのドアを少し開けて、タンスの中の空気の入れ替えをすることが、洋タンスで上手に着物を保管する方法になります。
また、洋タンスでは桐タンスに比べて何枚も何枚も着物や帯を重ねて収納することが出来るため、一番下になっている着物には特に湿気がつきやすく、また上の着物の重みで生地が傷みやすくなります。
良く晴れた日に一度着物出して風通しし、それまでとは違う順に着物を重ねていくことで着物の傷みを少なくすることが出来ます。
洋タンスで着物を保管する場合も、前述した衣装ケースの時と同じように除湿剤や防虫剤を使用して、着物にとって一番良い保管環境を作り出します。

着物の生地別に保管方法のコツってある?

着物を保管するときには、同じ材質の生地の着物同士をまとめておくようにするのが一般的です。
例えば、絹素材の着物は絹素材の着物同士で、ウール地の着物はウール地の着物同士でといった具合です。帯に関しては、たくさん種類があるようであれば、袋帯と名古屋帯に分け、それを更に織りの帯、染めの帯で分けておくと良いでしょう。
先にも述べたように、重ねて収納する場合は、一番下になる着物に湿気が溜まります。なので、上質な着物は、湿気の少ない上段に重ねておくようにします。これが良い着物を長持ちさせる保管のポイントになります。

衣装ケースの保管場所はどこがいいの?

衣装ケースの保管場所は、直射日光を避けた、湿気の少ないところが最適ですが、押し入れやクローゼットに収納するのが一般的です。
押し入れやクローゼットも場所によっては湿気が沢山あるところもありますので注意が必要です。
衣装ケースを押し入れやクローゼットに入れる場合、ケースは壁や他の衣装ケースとぴったりとくっ付けずに、4、5cm離して空気の通り道を作るようにします。
そして、衣装ケースと壁の間、衣装ケース同士の間には除湿剤を置いて、極力湿気がケースの周りにない状態に保つようにします。

湿気対策って必要?

湿気については先にも述べたように、着物にとっての大敵です。桐のタンスを使用する場合もそうでない場合も、しっかりと湿気対策をする必要があります。一般的には除湿剤を使用して、湿気から着物を守ります。

着物を保管する時のたとう紙って何?メリットは?

呉服屋さんから着物が届いてくる時、着物はたとう紙と呼ばれるものに収められていることがほとんどです。
このたとう紙というのは、着物を保存するときに包む紙のことを指して言います。
たとう紙は、和紙で出来ているため通気性に優れ、湿気から着物を守ってくれるというメリットがあります。
しかし、長期間着物をたとう紙に包んだままの状態にしておくと、着物にシワがついてしまったり、たとう紙の汚れが着物にうつってしまったりすることもあるので、たとう紙に包まれて送られてきた着物も早々にたとう紙から出して、桐タンスに保管するようにするのが望ましいです。

防虫対策って必要?

虫に食べられてしまって、大事な着物が台無しになってしまったという話は意外とよく耳にします。
湿気対策は万全だからと安心せず、しっかり防虫対策もするようにしましょう。

防虫剤を入れておけば大丈夫?

一般的に着物の防虫対策には、市販されている防虫剤や防虫香が用いてられます。これは、桐タンスに保管する場合も、洋タンスに保管する場合も同じです。
しかし、絶対に虫には食べられたくないからと、むやみに何種類もの防虫剤を使用しても効果は得られません。
それどころか、大切な着物を傷ませてしまう危険性だってあるのです。
何種類もの防虫剤を同時に使用すると、化学反応が起きて、防虫剤の近くにある着物を変色させてしまう場合があるのです。
防虫剤を使用する場合は、一種類の防虫剤のみを使用し、帯や着物に防虫剤が付かないように、引き出しやケースの隅に防虫剤を置くようにします。
防虫剤にも期限がありますので、一度防虫剤を入れたからと安心せず、虫干しや空気の入れ替えでタンスを開ける際に、防虫剤のチェックをするようにしてください。
必要であれば交換するなどして、万全の防虫対策を目指しましょう。

着物の虫干しは必要?

除湿効果を期待するためにも、最低年に一回の虫干しは必須です。虫干しをすることで、湿気を十分に取り除くことが出来、また着物をしまっていたタンスや衣装ケースの掃除が出来る良い機会にもなります。
着物を出したりしまったりするのは容易なことではありませんが、長く美しく着物を着るためには、虫干しがとても重要になってきます。

虫干しのやり方とは?

虫干しは、一週間ほど晴天が続いて乾燥した冬の日を選んで行うのが理想的だとされています。
虫干しは、着物を着物用のハンガーに掛けて(なければ普通のハンガーに)鴨居など風通しの良い場所に吊るして行います。
一度に全部の着物を虫干しするのは大変なので、数枚ずつに分けて行うのが良いです。
この時、着物や帯は直射日光に当たらないように注意してください。
風通しの良い部屋に3~4時間ほど吊るした後に、しっかりと畳んでまたタンスや衣装ケースに入れます。
この時、除湿剤や防虫剤の交換をするのも忘れないようにしましょう。

虫干しはどのくらいの間隔でしたらいいの?

元々は、梅雨明けの時期に、梅雨で溜めこまれた湿気を払う土用干し、夏の間に産卵した虫を払うために行う虫干し、空気の乾燥した冬に行う寒干しと、季節ごとに役割を担った虫干しがありました。
現在では、この三つの虫干しをまとめて虫干しとしています。
今日では昔に比べて害虫も少なくなったことから、虫干し自体の頻度は年に一回でも良いとされています。
しかし現代では、害虫駆除以外に湿気を取るという意味で、虫干しをしっかりとする必要が出てきました。
というのも、今の住宅事情は昔に比べて気密性が高いため、湿気が溜まりやすくなっているからなのです。
虫干しをする間隔は、季節の変わり目を目安にすると良いでしょう。
特に乾燥した冬の時期(12月~1月)、梅雨明け後の時期(7月~8月)が虫干しに最適だと言われています。

さいごに

以上が、着物を長持ちさせるための保管方法になります。
着物にとって、湿気と虫は大敵なので、その両者から守るようにして着物を保管させることが最も大切です。
一番それに適した収納具は放湿性と抗菌効果を兼ね揃えた桐タンスになります。
しかし、全家庭に桐タンスがあるわけでもないので、手持ちの収納ケースを上手く活用して着物を収納する必要があります。
この時に使用するのが除湿剤と防虫剤になりますが、防虫剤に関しては一種類の防虫剤のみを収納する着物屋帯に直に付かないようにしなくてはならないという注意事項がありました。
また、着物を湿気から守るためには年に最低一度、虫干しをすることも忘れてはなりません。
こうして見てみると、着物を美しく保管するのは手が掛かって大変と思われるかもしれません。
しかし、慣れてしまえばさほど苦に思わずに出来るようになります。着物の収納方法などでお困りの方は是非参考にしてみて下さい。

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